私は、極度のあがり症で、人前だと異常に緊張し、体が硬直する感じで手が震え、声も震えて胸が苦しくなり、最悪声が詰まって何も言えなくなってしまいます。そのことを気にしすぎることで、予期不安がおこり、しんどいです。そんな自分が情けなく、悲しく思ってしまいます。

 

震えを意識したのは中学3年生のとき、高校受験を控えて塾に通っていて、その塾でのこと。視線を感じ、見られている?と思うと手が震えてました。部活動でテニス部にはいっていたのですが、市内大会を市のテニスコートでしていたとき、今までに感じたことのない緊張感が襲ってきました。ドキドキしてわけがわからない状態、パニック状態です。高校のとき、授業中あてられて黒板に答えを書くときも、手が震えることが怖くて、答えを考えるのではなく、当たらないようにと祈るばかりでした。

 

中学・・・高校・・・短大・・・と、でてくる症状は気になりながらも、短大を卒業し就職。希望に満ちた社会人としてのスタート。社会人としてこうありたい、ばりばり働いて、かっこいいキャリアウーマンになりたい、そう思ってました。

 

自分のことがわかっておらず、理想だけが高くて、働き出して少しもたたないくらいから、頭が重く調子が悪くなり、物事に集中できなかったり、事務職だったので書痙も気になり、お客さんへのお茶出しでも手が震えるのが嫌で、人の目をすごく気にするようになっていました。人が普通にできることが私にはできない。すごい劣等感です。一番苦手だったのが仕事以外でのイベントごと、飲み会、社内旅行でした。

 

仕事はバリバリし、仕事以外での人付き合いもしっかりする。飲み会などにもきっちり参加し、明るく、楽しい人になりたい。今、考えると、そんな人だと周りから思われたいと思っていたのかなって思います。ひとりでいると周りから変な風にみられる、だまっていると暗い人だと思われる。そう思われることが嫌で怖かったのです。なんとかしたい、なんとかこの性格を変えたい、このままでは嫌だと、そういう思いだけが強くなっていきました。

 

まず、人前で緊張する、震える、これを催眠療法でコントロールし、なくしてしまおうと、何十万も前払いし催眠療法に通いました。心を強く鍛えるためにと、ヨガに行きました。カウンセリングも受けました。なんとかしたい、どうすればいいのかといろいろなことにお金を使ってるだけだったかなって、今考えるともったいないことをしていたのかなって思います。

 

森田のことを最初に知ったのはこの時期です。本屋さんで、森田の本を見つけて、「あるがまま」という言葉で気持ちが楽になったのを覚えています。でも、その時は森田はやらずでした。

 

そんななか、職場で知り合った人と35歳のとき結婚しました。子供ができなかったので、自由になる時間はたくさんあります。ほんとうなら、フルタイムで働き、休みの日にはしっかり遊ぶ。そんな充実した生活が理想なのですが、フルタイムで働いているとしんどくなり、休みの日にも仕事のことを考えてしまったり、切り替えがまったくできない、人と接する時間、外にでてる時間を短くすればいいかと思ってパートで働くことにしました。

 

気持ち的にも楽になると思っていたのが、逆に、考える時間が多くなって、自分のことばかりを考えてしまい、人に嫌われたらどうしようかと、人のちょっとした言動がすごく気になって、「あ~あの人は私を嫌っているんだ」と考えてしまったり、まえよりももっとしんどくなっていきました。周りには友達もおらず孤独感だけがいっそう強くなってました。どうにかしたいと思い、パソコンで調べて、家の近くで認知行動療法をしているところを見つけて1年通いました。そこでは、自律訓練法も教えてくれました。

 

結局、なにをしても同じだなって思ってるなか、新聞に「あるがまま」「森田療法」「生活の発見会」が掲載されてるのを読みました。発見会にはいって集談会にいくと、同じように悩んでいる人と会えると思い発見会に入会しました。毎月送られてくる発見誌を読むと、自分と同じような人のことが書いてある。読むだけで安心できました。集談会に出席して会ってみたい!!そう思いました。

 

最初は、旦那に言えずに内緒で集談会に行きました。当日、胸はドキドキ、体は硬直し、何を聞かれても答えることがうまくできず、自分がなんでここにきたのかさえもうまく説明できなかったのを覚えています。

 

同じ悩みを持つ人どうしだからこそ理解し合えること。自分と同じ症状の人に会えること、同じ苦しみを持っている人に会える、集談会では共感できることばかりでとても安心できます。ちょっと大げさかもしれませんが、これから生きていくうえで、とても頼りになる先輩、仲間、そういう人たちに出会えたことがなによりうれしいです。

  

まだまだ、しんどく、生き苦しいときもありますが、森田に出会い、集談会に行き、森田を学んでいれば大丈夫!?「あるがままの自分でいい」そう思わせてくれる森田です。